脱炭素化の推進
メッセージ
最近の異常気象や大規模災害の頻発により地球温暖化の深刻さを実感する中、ジヤトコではカーボンニュートラルの実現を全社の重点課題と位置づけCO2削減を全社KPIに設定して取り組んでいます。
具体的には、生産活動の中で化石燃料への依存を減らすために再生可能エネルギーの導入拡大や電力利用の効率化に注力するとともに、開発やアフターセールスでは電動車など製品のライフサイクル全体でのCO2排出低減にも配慮しています。
経済活動の活発化と個人の自由・利便性の追求がエネルギー需要を増加させる中でCO2削減していく、このジレンマを解決することは地球環境にとって不可欠です。 今後も社会の期待に応え、責任を持ってその使命を果たしてまいります。
企画部門VP
甲斐 啓之
カーボンニュートラルへの取り組み
ジヤトコは、2050年までにバリューチェーン全体でカーボンニュートラルを実現するため、「ライフサイクル全体」「生産」「商品開発」「環境活動」の4つの領域に取り組んでいます。
ライフサイクル全体での取り組み
原材料調達からリサイクルまでの環境影響を評価し、CO2排出削減に努めます。
生産における取り組み
デジタルトランスフォーメーションと革新技術によりスマートファクトリーを実現し、省エネルギーや再生可能エネルギーの導入によってCO2を削減します。
商品開発における取り組み
既存商品の効率向上や次世代自動車向けの新商品開発を進め、CO2排出の低減に寄与します。
環境活動など包括的な取り組み
地域やNPO法人との協働による環境活動など包括的な取り組みを強化し、よき企業市民としてもCO2削減に責任も果たしていきます。
カーボンニュートラル・ステアリング・コミッティ
カーボンニュートラル実現に向けた戦略策定や進捗確認のため、4つの領域の各担当役員が参加し、CEOを議長とし支援・意思決定による迅速な課題解決と全社での活動の活性化を目指しています。
2024年度 CO2排出量実績(グローバル) 単位:t-CO2
| 拠点 | Scope1 | Scope2 | 計 |
|---|---|---|---|
| 国内 | 27,061 | 103,240 | 130,301 |
| 海外 | 3,326 | 75,440 | 78,766 |
| 計 | 30,387 | 178,680 | 209,067 |
ライフサイクル全体での取り組み
サプライチェーン領域(調達)
ジヤトコは、サプライチェーン全体でのCN達成に向けて、Scope3(カテゴリー1)におけるCO2排出量の見える化を推進しています。
私たちは、取引先様であるビジネスパートナーとの情報交換の場を設けることで、お互いの取り組みを共有しながら活動を促進しています。サポートが必要なビジネスパートナーには、随時お話を伺う機会を設けており、共に問題解決に向けた取り組みを行っています。
ジヤトコはSBT認証取得に向けて、ビジネスパートナーと協働しながら環境改善を進め、CO2排出量削減に努めています。持続可能な社会の実現に向けて、私たちは引き続き努力してまいります。
サプライチェーン領域(物流)
ジヤトコの部品輸送ではGX(グリーントランスフォーメーション)としてCO2排出量削減に取り組んでおり、2013年から2024年までに11%を削減しました。
部品輸送に伴うCO2排出量を削減するために、日本国内のお客さまの理解を得ながらモーダルシフトを推進しています。
具体的には、2009年度より、広島方面(約780㎞)からジヤトコの生産拠点がある静岡県までの調達部品の輸送を、トラックから鉄道輸送に切り替えました。この結果、83.3% のCO2削減効果をあげることができました。
また、2019年9月よりジヤトコ富士地区から京都八木地区へのジヤトコ生産部品の輸送にダブル連結トラックを導入し、高積載率での輸送を行うことによりCO2削減に繋げました。
今後もモーダルシフトや積載効率アップにより環境にやさしい部品輸送に取り組んでいきます。
輸送におけるユニット当たりのCO2排出量
2024年度の輸送における CO2排出量
物流からの CO2排出量 (年度)
| 単位 | 2022 | 2023 | 2024 | |
|---|---|---|---|---|
| 合計 | t-CO2 | 4,166 | 4,344 | 3,795 |
| インバウンド | t-CO2 | 2,824 | 2,834 | 2,508 |
| インターナル | t-CO2 | 1,262 | 1,422 | 1,223 |
| アウトバウンド | t-CO2 | 80 | 88 | 64 |
荷重比率 (年度)
| 単位 | 2022 | 2023 | 2024 | |
|---|---|---|---|---|
| トラック | % | 94.0 | 94.3 | 94.3 |
| 鉄道 | % | 6.0 | 5.7 | 5.7 |
生産領域での取り組み
熱処理炉
寄せ止め停止約1,659 t-CO2/年
工場の熱処理工程では、浸炭焼入れ焼戻し処理に関して、各炉の負荷率管理を行い、効率の悪い従来のガス浸炭炉を停止させて、真空浸炭炉への寄せ止め移行を進めております。
炉の効率的な稼働によるCO2排出量削減に取り組んでいます。
富士3地区鋳造工場
溶湯運搬寄せ止め約820 t-CO2/年
富士3地区では、各工場毎(第2鋳造・第3鋳造)に溶解炉があり、溶かしたアルミ(溶湯)はそれぞれの工場内でのみ使用していました。
今回ポット等の必要な機材を導入して、第2鋳造の溶解炉で溶かした溶湯を、第3鋳造まで運搬することを可能とすることで、寄せ止めによる効率化を図りました。
電力見える化ダッシュボード
カーボンニュートラル意識向上を目的に、社内ポータルサイトに工場電力使用量の状態が分かる「電力見える化システム」や「CO2排出量見える化システム」を掲載しています。
全従業員が各地区の電力使用量を手軽に確認できるため、一人ひとりの自発的な節電活動に繋げています。
富士2・3・4・A 地区
蒸気最適供給約1,081 t-CO2/年
富士2・3・4・A地区の蒸気は、2地区動力棟のボイラーにより一括で供給しているため、蒸気配管長は全体で約7km、最大8.4GJ/hの配管放熱ロスが発生してしていました。
今回4地区へ専用に個別ボイラーを設置することにより、2地区からの蒸気配管を撤去して、配管放熱ロス低減を図りました。
八木地区構内駐車場
ソーラーカーポート約1,659 t-CO2/年
ジヤトコでは再生可能エネルギー導入として、京都八木地区の構内駐車場へ太陽光PPAモデル(電気購入契約)にてソーラーカーポートを設置しました。
事業所で消費されている電力の約2.8%を賄える予定です。
エアーレス化モデルライン
富士4地区の新ラインでは、プロジェクト段階でラインコンセプトにエアーレス化を入れて、設備設計に織り込みました。一部のモデルラインではオール電化を実現し、CO2排出量70%削減見込みです。
現時点でオール電化を実現できたのは、一部のラインだけですが、それ以外でも、エアーレス化というコンセプトを取り入れて部分採用をしています。
開発における取り組み
電動パワートレインX-in-1の共同開発と生産開始
ジヤトコは電気自動車(EV) 用の電動パワートレイン「X-in-1」を日産自動車と共同開発・生産し、脱炭素に貢献しています。
包括的な取り組み
日産リーフバッテリー再利用、太陽光発電外灯
富士1地区・本社地区外灯設備を太陽光仕様へ変更し、商用電力ゼロによりCO2ゼロ化しました。
CO2削減効果は0.8t-CO2/ 年・台となっており、蓄電池は日産リーフの使用済みバッテリーを再利用しサーキュラーエコノミーにも貢献。非常時には着脱可能で災害用ポータブル電源( 容量140.000mA)として使用可能となっています。
富士市ゼロカーボンシティに向けたパートナー協定
2050年の温室効果ガス排出量実質ゼロを目指す「富士市ゼロカーボンシティ」実現のため、2023年10月に富士市と「パートナーシップ協定」を締結しました。富士市には温室効果ガス排出量の削減目標や成果を報告しています。また、ジヤトコの活動は、市内の小学4年生向けに配布される地球環境啓発冊子「こどもゼロカーボンチャレンジ」にも掲載されています。
グリーンカーテンプロジェクトの実施
京都八木地区では、「グリーンカーテンプロジェクト」と題し、工場建屋につる性の植物を絡ませることで、直接日光を遮断。日差しを遮ることで、放射熱の発生と侵入を抑えています。
省電力機器の利用と消費電力の見える化
富士地区の事務棟には会議室のCO2排出量が一目で分かる工夫を凝らし、省エネ意識を向上させる活動を進めています。