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トップメッセージ|エンジンから、その先の未来へ。クルマの環境性能を決めるトランスミッションの可能性。

気候変動や資源の枯渇など地球規模での環境問題が社会の大きな関心を集める中、自動車業界やトランスミッション業界がいかに創造性豊かに持続可能なモビリティ社会の構築をしていくのか、期待が高まっています。

まず、2011年3月の地震で被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。地震や津波によって、人々の暮らしや企業活動、地域経済に与えられた影響は今もなお続いておりますが、皆さまの暮らしが一日も早く復興するよう、心よりお祈り申し上げます。

環境への取り組みについて

Q. これからの、環境とクルマ社会、トランスミッションの関係は?

クルマが地球環境に与える影響は決して小さくはありません。自動車業界の一端を担うジヤトコにとっても、CO2の削減に向けた取り組みは最重要課題と捉えています。

クルマの環境性能向上という目標を達成するためには、単にエンジンやボディを改良するだけではなく、クルマ全体のバランスを高レベルで保つ技術の確立が必要であるように思えます。私たちジヤトコがつくるオートマチックトランスミッションも、まさにクルマの「バランス」を作り上げるために重要な役割を果たす商品であり、クルマのパワーユニットがエンジンやモーターなど多様化する中でも重要な基幹部品として、ますますその存在意義が高まっています。

オートマチックトランスミッションには、エンジンやモーターの動力を効率的に駆動輪に伝えることで、クルマをドライバーの意図したとおりに発進・加速させる「走行性能」と、燃料消費を抑えることで環境負荷低減につながる「燃費性能」が求められています。その相反する2つの性能をどれだけ高いレベルで兼ね備えることができるかが、お客さまに選ばれる商品づくりの条件になると考えています。

私たちジヤトコは、変速比幅の拡大や小型・軽量化によって燃費性能を向上した副変速機付CVT「Jatco CVT7」や、1モーター2クラッチを採用し高い燃費性能と走行性能を両立させたハイブリッド車用トランスミッションなど、エンジンやモーターとの協調制御の最適化を考慮した新しい技術の開発に挑戦し続けることで、お客さまのニーズに応える商品を追求しています。今後も業界のリーディングカンパニーとして、さらなる環境性能と走行性能を高次元で両立する次世代トランスミッションの開発を推進していきます。

社会への取り組みについて

Q. グローバルで事業展開するジヤトコが、社会的に価値ある企業となるために、どのような施策を展開していますか?

自動車マーケットの需要は、これまでの先進国市場から、新興国市場へも拡大しつつあります。そして、その市場のニーズに応えるために、ジヤトコはグローバルでの生産拠点を拡充しています。これは各地域でのお客さまの声に耳を傾け、世界各国の自動車メーカーの期待に応える高品質の商品をタイムリーに提供することを目指したものです。すでにジヤトコ メキシコ社や中国のジヤトコ(広州)自動変速機有限公司が稼動しており、現在、3つ目の海外の生産拠点となるジヤトコ タイランド社を建設中です。

しかし、新たな地域へ進出するのは容易なことではありません。その土地の国情や政府・地域社会に対する取り組み、また大きな雇用を負うことに対する社会的責任など社会的なインパクトに配慮する必要があります。たとえば地球環境、地域社会に対して、ジヤトコという会社がそこにあって良かったと感じていただけるような取り組みを絶やさないことです。そのために、グリーン調達や省エネ・省資源活動など環境保全に向けた活動を推進し、また社会的な責務として、環境事故など社会に対する損害を生み出すことのないよう配慮することが重要です。そして、社会貢献活動として行政の窓口や地域社会などを通じたボランティアを展開するなど、積極的にそれぞれの地域社会に根ざした活動を継続して、充実させていくことも不可欠だと考えています。

モノづくりについて

Q. グローバルジヤトコが目指す、「モノづくり」のマインドとは?

企業とは本来、成長を目指すものです。しかしただ儲ければいいわけではなく、社会に対する責務を果たし、そして発展に貢献するという志があってはじめて企業は成り立ち成長していくものだと思います。

現在、ジヤトコ グループの従業員は約1万人おり、グローバルでの生産拠点の拡充にともないさらにその数は増えています。そして、その一人ひとりが、異なる考え方や経験などから生み出される能力を持っています。従業員の持つ多様性は、ジヤトコが持続的な成長を維持するための原動力であり、従業員が事業活動を通じて互いに高めあうことで、ジヤトコならではの価値を創造します。

クルマ社会が大きな転換期を迎えようとする中、ジヤトコが社会のニーズに応える商品をこれまで以上にスピード感をもってつくり続けるためには、従業員一人ひとりが「提供する価値とは何か」を自問自答し勇気をもって変革することに挑戦していくことが重要です。それこそがジヤトコの使命である「お客さま・クルマ文化・社会への価値の提供」であり、ジヤトコの目指すモノづくりの姿だと考えます。

これからについて

Q. これからのジヤトコは、どのように進化していきますか?

社会的に環境意識が高まる中、今後も自動車業界およびトランスミッション業界では、環境に配慮した商品の市場拡大が予想されます。ハイブリッド車をはじめ、電気自動車やプラグインハイブリッド車など新技術の多様化は一層進むことになるでしょう。

激しく変わる状況の中で、ジヤトコは市場のニーズを的確に捉え、期待を超えた革新的な技術や商品を生み出すモノづくりへの挑戦を続けていきます。

たとえば電気自動車では、今までのガソリンエンジン車とは違い、トランスミッションの「トルクを伝達する」という機能に対する需要は、相対的に低くなります。しかし、電気自動車にはトランスミッションが全く不要かというと、そうではありません。現在、電気自動車が抱える課題には、モーターの小型化やバッテリーの効率化などが挙げられます。小さなモーターや、容量に制限のあるバッテリーを、いかに効率よく使い、動力をタイヤに伝えるか、つまり「エネルギーを伝え、マネジメントする」といった技術革新の領域で、トランスミッションのような基幹部品が活きる可能性は多くあると思います。

また、ガソリン・ディーゼルエンジン車においても、その燃費効率を極限まで高め、より優れた環境性能を実現する次世代トランスミッションや、需要拡大が期待される新興国に向けた低価格で高効率なトランスミッションなど、新技術・既存技術の両方に対するニーズが存在します。私たちジヤトコがその技術力を絶えず磨き続け、ジヤトコでなければ創り出せない商品を生み出し、より多くのお客さまに使用していただくことが、私たちの責務であると考えます。

ジヤトコが描く理想の社会像は「クルマと環境が共生できる社会」です。この環境理念の実現に向けた私たちの環境に対する取り組みが、持続可能な発展に貢献できると信じています。地球と将来の世代のために、私たちが果たすべき役割は何かを常に自ら問いながら、皆さまとともに新しい未来の創造を目指し、ジヤトコは進化し続けます。

ジヤトコ株式会社社長 秦 孝之