自動車用変速機（AT/CVT）の専門メーカー、ジヤトコ株式会社（社長：秦 孝之、本社：静岡県富士市、資本金：299億3,530万円、以下 ジヤトコ）は、タイにおける生産会社　JATCO (Thailand) Co., Ltd.（以下 ジヤトコ タイランド社）を設立する、と発表した。ジヤトコの海外生産拠点としては、メキシコ、中国についで3拠点目。また、タイにおいてCVTを生産するのはジヤトコ タイランド社が初めてとなる。

ジヤトコ タイランド社は、当社がさらなるグローバル化とより一層の成長を目指すための重要な拠点であると同時に、中国とともにグローバルで最も成長が見込まれているASEAN地域において環境に優しいCVTの生産・供給を開始することで、さらなる地球環境への貢献を目指すものである。

生産能力は年間約50万台、生産立ち上がりは2013年度半ばを予定している。初期の従業員数は約500名、2014年度中に約1300名まで増員を計画している。

また、ジヤトコ タイランド社で生産する副変速機付CVTは、従来のベルト式無段変速機に副変速機を加える独自構造の採用により、変速比の大幅な拡大と小型軽量化、高効率化を実現。レスポンスのよい発進加速と高速走行時の静粛性の両立、燃費性能の向上に加え、さまざまな車種への搭載を可能にした。このCVTは、第61回 日本機械学会賞（技術）と2010年度自動車技術会賞 技術開発賞を受賞しており、2009年8月の生産開始からの累計生産台数は約70万台。現在、日産自動車のジューク、マーチ、スズキのスイフト、ワゴンR等に搭載されている。

社長の秦 孝之は次のように述べている。「ジヤトコ タイランド社で生産されるCVTは、クルマの燃費性能向上、CO2削減に大きく貢献し、環境対策の重要な技術の一つとして高く評価されている。製品普及による環境対応や、投資・雇用の創出などにより、今後もタイの発展に貢献したい。また、工場進出にあたってのタイ政府及びタイ日産自動車会社の多大な支援に感謝したい。」

ジヤトコは、1997年にベルト式CVTの生産を開始して以来、世界初の技術を商品化し、CVT市場開拓のパイオニアとして常に業界をリード。現在、軽自動車用から3.5リッタークラス車用までのCVTフルラインナップを揃える世界唯一のメーカーである。2010年に全世界で生産されたCVT生産台数に占めるジヤトコのシェアは、業界トップの約48％であった。