自動車用変速機(AT・CVT)の専門メーカー、ジヤトコ株式会社(社長:石田 繁夫、本社:静岡県富士市、資本金:299億3,530万円)は、2009年4月1日(水)9:30から、本社多目的ホールにおいて、2009年度入社式を行いました。その式の中で、石田社長が新入社員101名に対し述べた挨拶を下記のとおりお知らせいたします。
記
本日ジヤトコグループに入社された101名の皆さん、入社おめでとうございます。ジヤトコグループ各社を代表して、ご挨拶をさせていただきます。
【ジヤトコグループの一員として】
私たちジヤトコグループの仕事は、トランスミッションを製造し、販売することです。国内はもとより海外にも拠点を設け、世界中の自動車メーカーにトランスミッションを提供し続けています。昨年、日産フェアレディZに搭載された新型7速ATは専門家の間でも高い評価を受けておりますし、また、スズキワゴンR等に供給している軽自動車用CVTの出荷も好調です。今年度はいよいよ中国でのCVTの生産開始も控えており、私たちはより一層の成長と、グローバル化を進めていく必要があります。
皆さんもご承知のとおり、昨年来の世界経済の落ち込みに伴う自動車需要の減少は、国内外に深刻な影響を及ぼしています。皆さんの中には、自動車産業の今後に不安をお持ちの方もいるのではないかと思いますが、不安になっているばかりでは、この状況を乗り切ることはできません。将来に向かって着実に歩を進めることが必要です。
では、ジヤトコグループの社員は、今、どう行動すべきか、また、ジヤトコグループの一員として、これから皆さんにどう行動していただきたいかをお話します。
【ジヤトコグループの使命 ・ 社員がどう行動すべきか】
ジヤトコグループでは、私たちの使命を、 「お客さまやクルマ文化、社会へ価値を提供すること」 と定めています。価値を提供するということは、単に商品を製造し販売するということだけではありません。商品そのものの高い品質や良いサービス対応、あるいは地球環境保護に貢献することを含めて、価値を提供するということなのです。
ここで一つ、嬉しいニュースをご紹介します。昨年度、経済産業省主催の「エネルギー管理優良工場等表彰」において、ジヤトコの富士第1〜4地区および蒲原地区が「資源エネルギー庁長官賞」を受賞しました。今回の受賞は、自動車部品用アルミ溶解炉のバーナー燃焼、エアー制御の最適化により、当該設備の約6%のエネルギーを削減したことが評価されたものです。また、「エネルギー管理功績者表彰」においても、長年に亘り省エネ施策を積極的に推進してきた功績に対し、ジヤトコプラントテックの鶴岡さんが「経済産業大臣賞」を受賞しました。これは、私たちグループが社会へ価値を生み出す企業であることの証であると思います。
そのような価値を生み出す企業として将来にわたり存続するために、私たちがすべきことは、まずは商品の競争力と品質を向上させる努力を継続することです。それと同時に、一人ひとりが、この危機を乗り越えることを他人任せにせず、自分の仕事においてすべきことを考え、取り組む意識を持つことが必要です。従来のやり方・考え方にとらわれず、状況に即した最適策を選択し、実行しなくてはなりません。
これまで出来なかったことは、これからも出来ないことであるとは限りません。むしろ、不可能を可能にしていく程の改革が必要なのです。一人ひとりが主体的に仕事の変革に取り組むことで、全員でこの状況を乗り越えるのです。
【皆さんに期待すること】
ではここで、新入社員の皆さんに期待することを具体的に3つお話します。
1つ目は、仕事をするということとはどういうことかを意識してほしいということです。
仕事をするということとは、職に就くということであり、就社ではありません。それは、一人ひとりが仕事を通じて成長し、その仕事においてプロになるということであり、皆さんの人生において、非常に重要なことです。人生はお金で豊かになるだけではありません。仕事を通じても、豊かになっていくのです。それをまず認識してほしいと思います。
そのためにも、2つ目として、常に自分を磨き続けてほしいということをお話します。
皆さんは、これから各職場に配属されますが、まずは先輩の姿を見ながら、自分がどんなプロになりたいかを思い描いてください。そして、その目指す姿に向かい、常に自分を磨いてほしいのです。先輩は、あなたの力になってくれますが、自分を磨くために何をどうすべきかは、あなた自身が考えることです。また、あなたがすべきこととは、時や状況に応じて変化していくものです。自分がどうやって成長するのかということについて絶えず考え、人に言われてではなく、自ら進んで学び続けるという姿勢を大事にしてください。
私たちはモノづくりの会社ですが、そのモノづくりを支えるのは人間です。ジヤトコグループでは、開発や生産などの、モノづくりに直接関わる業務につく人はもちろん、全ての部署の人がモノづくりに関わっています。
例えば人事部では、社員のスキルアップのために教育を企画し、人の育成をはかることで、モノづくりに関わっているのです。皆さんも、「自分はモノづくりの担い手である」という自覚を持ちましょう。そして、自分を磨き、自分自身の価値を高めていきましょう。
3つ目は、常にお客さまの視点に立って仕事をしてほしいということです。
皆さんには、社内外を問わず、たくさんのお客さまがいます。私たちの商品を受け取る自動車メーカー、さらにその商品の搭載された車のユーザーはもちろんのこと、会社の仕事のプロセスの中で、あなたの仕事の次の工程を担う人もお客さまです。
例えば、あなたがあるモノの図面を描き、その次の工程でその図面をもとに別の人が実際にモノを作るとします。あなたの図面の描き方が、モノを作る担当者の作業の効率に影響します。その人が効率よく作業できるためには、どのようなことに配慮したらよいでしょうか。この場合、必要な情報を全て正しく入れることはもちろん、わかりやすく記載されていることで、作業がスムーズに進みますね。これがお客さまの視点に立つということです。商品の価値は、作り手が決めるものではなく、それを使うお客さまが決めるものです。
皆さんは、昨日までは社外のお客さまとして、客観的にジヤトコグループおよびその商品を評価する立場でした。
ひょっとすると、社内の誰よりも皆さんがお客さまの視点を持っているかもしれません。今日からはお客さまに価値を提供する立場に変わりますが、「自分がお客さまだったらこういう物がほしい、こうあってもらいたい」という視点を忘れないでください。それが、お客さまの満足と感動を得る仕事につながるのです。お客さま以上にお客さまを知ることが非常に大切です。
以上、若さと活力にあふれた皆さんが、ジヤトコグループの大きな推進力となることを期待します。
一緒に頑張っていきましょう。