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2007年4月4日


2007年度入社式 社長挨拶(要旨)

   自動車用変速機(AT・CVT)の専門メーカー、ジヤトコ株式会社(社長:石田 繁夫、本社:静岡県富士市、資本金:299億3,530万円)は、2007年4月2日(月)10:00から、本社多目的ホールにおいて、2007年度入社式を行い、その式の中で、石田社長が新入社員(142名)に対し述べた挨拶の要旨を下記のとおりお知らせいたします。

入社おめでとうございます。
会社を代表して皆さんをお迎えするにあたってのご挨拶をさせていただきます。

本日は、ジヤトコグループ合計142名の新しい仲間を迎えることができ、大変うれしく思っています。皆さんはもとより、ご家族の方々のお喜びもひとしおではないかと思います。

さて、今日は、当社の概況と企業理念、経営課題と07年度社長方針、ジヤトコグループの将来の姿、新入社員の皆さんに期待することについて、お話しします。

当社の概況ですが、07年3月末現在のジヤトコ本体の社員数は7,650人です。ジヤトコグループ全体では約10,000人規模の企業グループとなります。
06年度の売上高は、単独ベースで約4,900億円強、連結ベースでは約5,000億円強を見込んでいます。
お客さま(納入先)は日産自動車・三菱自動車・スズキなどの他、世界の多くのカーメーカーに、商品を販売しています。

国内拠点は、東は茂木から西は水島まで、東西に広がっています。
更にジヤトコグループは、グローバルに成長していこうとしており、メキシコにCVTの生産拠点を2003年に設立し、ダイムラー・クライスラー、及び、北米日産にCVTを出荷しています。
その他、フランス(パリ)・USA(デトロイト)・韓国(ソウル)にも開発、営業等の拠点を構えています。また、新しく中国でも会社設立の準備に入っており、近く新会社を設立します。

次に企業理念である"The Jatco Way"についてお話ししたいと思います。
ジヤトコグループに入社された皆さんには、まずこの目指すべき企業像を表した"The Jatco Way"を理解していただきたいと思います。

使命
私たちは自動車メーカーにトランスミッションを納入していますが、それによって、どういった価値を提供できるかということが使命と考えています。価値とは、単に価格だけではなく、そのトランスミッションの性能の価値、品質が安定しているか、また、それを自動車メーカーから評価してもらえるかということも含まれます。それだけではなく、実際に車に乗る人に「いいオートマチックだ」と言っていただけること、「ジヤトコの社員は良い人が多いね」と言ってもらえること、そういう価値を会社のなかで作っていくこと、これが我々の"使命"です。
ビジョン
最終的な商品はオートマチックトランスミッションですので、お客さまに対して私たちのあるべき姿とは、「よい仕事でよい商品」(世界一のオペレーションで世界一の商品)を作ること、これが私たちのビジョン、求める方向性です。
基本となる価値観
ジヤトコは「モノづくり」の会社です。実際の製品は工場で作られるけれど、その周りにいる、人事や経理など、本社の人たちも、ジヤトコグループ各社も、「モノづくり」を別の角度から支える活動をしています。
そして、そのためには「よい人づくり」が必要であり、「人づくり」のために会社の資源を投入しているのです。
行動原則
そして、そのためにある、3つの改革(意識・仕事・文化の改革)がジヤトコの行動原則です。基本となる価値観を共有し、3つの改革を常に心がけ、実践していくことがジヤトコの使命・ビジョンの達成につながります。
社員の皆さんには、常にこの4つの点(使命、ビジョン、基本となる価値観、行動原則)を念頭におきながら行動するようお願いしています。
本日をもって、ジヤトコグループの一員となられる皆さんにも、それぞれの言葉の意味を良く理解していただき、これからの会社生活に活かしていただきたいと思います。そして最終的には、ジヤトコの価値を高める社員になっていただきたい。

さて、続けて経営課題と07年度社長方針をお話しします。
当社の生産台数は伸びており、また新しい業務も始めています。新ユニットも計画、投入していかなければなりません。
【よい商品】を作る。お客さまへの価値の提供として、お客さまにとっての性能が良い・品質が安定している・コストが安い、新規ユニットの性能・コストの数値目標を達成することを主要課題として取り組むことに致しました。それがなぜできるかというと・・・
【よいモノづくり】がある。よいモノづくりがどうやったらできるかというと・・・
【よい人づくり】。人がキーです。人材・風土の育成として、個々人が自ら成長する会社へ変革すること。みなさんが成長しながら会社が成長する。
「よい人づくり」によって「よいモノづくり」ができ、それが「よい商品」につながる。「よい商品」を作ることによってそういう経験が、「よい人づくり」になっていく。この3つが良いスパイラルになるようにしていきたい。方針として、これを各部署で具体的な項目を挙げて挑戦していきます。ここを認識していただきたい。

これらの方針や目標の延長線にある、ジヤトコグループの将来像についてもお話ししておきたいと思います。
ベストパートナーから、ソリューション型へ
ベストパートナーとは、お客さまである自動車メーカーが「これを作りましょう」といったものを作るということ。そうではなく、お客さまから言われる前に準備したり、我々の方で答えを用意しておいたりする。そうでないと価値のある会社になれず、今、こうした会社のパラダイムを変えようとしている最中です。自動車メーカーにとってもそういうサプライヤーの方がありがたい。そういう意味で、ベストパートナーからソリューション型です。
コアとなる技術の創造
あらゆるお客さまを満足させる「世界一の標準仕様」を、デファクトスタンダードとなるような技術を提供できることが大切です。
お客さま以上にお客さまの問題を理解し、解決する能力
皆さんお店で商品を買うときどういった基準で選びますか?価格の安さや、ブランドネーム、デザイン等いろいろあると思いますが、その基準に沿った価値が大事だということです。
我々は価値ある商品を作るためにお客さま、いわゆるマーケットを理解しなければなりません。我々は変速機のプロ、パワートレインのプロとならなくてはなりません。お客さま以上にお客さまを知ることが非常に大切です。

最後に新入社員の方への期待を3つお話ししたいと思います。
仕事をするということ
一つ目は仕事をするということはどういうことか、ということです。
皆さんジヤトコグループに入社されたのですが、それは、就社ではなく就職です。そこを忘れないでほしいと思います。皆さん方にとっては、仕事をするという事は、仕事を通じて自分が成長する、豊かになる、見識が高まる、技術力が高まる、という事です。皆さんの成長と共に、皆さんの仕事の質が上がっていく事で仕事ができていくということです。そして「お客さまや後工程により高い価値を提供する」事につながるという事です。つまり、仕事をするという事は、"The Jatco Way"で明記しているように、皆さん一人ひとりの仕事を通じて「お客さまや後工程に価値を提供する」という事です。仕事をする上で、自分の成長と仕事は必ずつながっているということを意識していただきたい。
チームワーク・自主性
学生時代にはあまり意識していなかったかもしれませんが、会社で仕事を行なう上で重要なことはチームワーク、協調性です。当然のことながら会社では一人では仕事ができません。周囲の人とのチームワークが重要になってきます。人付き合いが大切です。
しかし、チームワークと言っても、上司や仲間のいうことだけを聞いていれば良い、ということではなく、自らのことは自ら判断し、決定するという自主性も求めたいと思います。社会人の一員としてチームワークと自主性を追い求めて下さい。
専門性と自己研鑽
1つ目にお話した仕事を通じて価値を作り出すことにも関わることですが、専門性が重要だと考えています。皆さんはこれから、それぞれの領域で仕事の玄人(プロ)を目指してもらうことになります。
水は高いところから低いところにしか流れません。このくらいの仕事をしようと思ったらそれよりも自分の能力を少し高くしておかなければならないということです。自分自身を自ら磨きこんで専門性を高めていってほしい。グローバルに通用する人財になるためにも、仕事のプロであることが何より大事です。そのためには常に自己研鑽に努め、勉強、努力していくということが重要だと思います。

これらはすべて"The Jatco Way"の精神そのものです。 
ぜひ皆さんと一緒に、このジヤトコグループを素晴らしい企業グループにしていきたいと考えています。皆さん一人ひとりの努力でこの会社を盛り上げていきましょう。皆さんの力に期待しています。

以 上