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2005年4月1日


2005年度入社式 社長挨拶(要旨)

自動車用変速機(AT・CVT)の専門メーカー、ジヤトコ株式会社(社長:石田 繁夫、本社:静岡県富士市、資本金:299億3,530万円)は、2005年4月1日(金)10:00から、本社多目的ホールにおいて、2005年度入社式を行い、その式の中で、石田社長が新入社員(185名)に対し述べた挨拶の要旨を下記のとおりお知らせいたします。

皆さん おはようございます。入社おめでとうございます。

ただいま紹介されました石田繁夫でございます。
皆さんをお迎えするにあたり、会社を代表してご挨拶申し上げます。

まず、最初に皆さんが当社に入社されたことをお祝い申し上げるとともに、心から歓迎申し上げたいと思います。実は私も昨日の取締役会で社長になりました。これまで3年ほど非常勤の役員をやっていましたので、全く初めてということではありませんが、新しいという意味では皆さんと同じであり、今日は皆さんと同じように少し緊張しています。

今日は、皆さんにお話したいことが3つあります。
第一に、会社の沿革および概要です。
第二に、会社の課題とこれからどうなっていくのかについて簡単に話したいと思います。
最後に新入社員の皆さんに考えておいてもらいたいことです。

まず会社の沿革から始めましょう。
既に皆さん方は就職活動などを通じて、ご承知かもしれませんが、改めてジヤトコの歴史、そして会社概要などについて、ご説明したいと思います。
当社は、1999年に、日産自動車鰍ゥら分社・独立したトランステクノロジー(株)と、富士市を中心にトランスミッションの開発生産をしていたジヤトコ(株)が合併し、「ジヤトコ・トランステクノロジー株式会社」という名前でスタートしました。その後2002年に社名を「ジヤトコ株式会社」に変更し、2003年には、三菱自動車工業(株)から分社・独立したダイヤモンドマチック(株)と合併し、現在にいたっております。
現在の当社の正社員数は約8,000名であり、売上高は2003年度実績で4,165億円、販売台数にして352万台です。昨日で2004年度が終わりましたが、2004年度はこれよりもっと伸びており、どんどん伸びています。

当社は世界的にみても1・2を争うオートマチックトランスミッションの会社であり、自信を持っていただきたいと思います。

次は第二点目の当社の課題とこれからの展望です。
オートマチックトランスミッションの普及、環境問題への対応と技術革新、自動車業界の3つについて少しお話したいと思います。

日本やアメリカでは90%以上の新車がAT、欧州もだんだん増えてきています。中国は伸びている市場ですが、比較的ATが多く、また、一般的には、最初はMTから入ってATに変わっていくのですが、最初からATが多いというマーケット状況にあります。

二番目が環境問題、特に京都議定書に批准したという報道をご存知かと思いますが、燃費改善、CO2削減がかなり大きな課題となっています。そういう中で当社がやっているCVTは非常に燃費が良いということ、ステップATからCVT化ということを我々は進めており、2月に日産自動車とともにCVTのボリュームを4倍増にするというような発表もし、CVTの普及・拡販をやっていこうと思っています。当社は、CVTでは当社が世界のトップと言ってよいと思いますが、技術的にもいろんな課題があります。

自動車業界についてですが、ダウントレンドと高級化という2極化の動きがあります。中国のように安いものを求められる地域とアメリカのインフィニティのような高級なものが求められる市場があります。また、中国、ブラジル、インドなどこれから成長が期待される地域への拡大という多少矛盾した動きへの対応が必要になってきています。

それに対応するために我々はどうするのかということです。伸びつつある市場で勝ち抜くために、安価なユニットを提供できるように、どうやって当社の製品の価格競争力を上げるか、つまりコストダウンをどう進めていくか、また現在は日本中心で造っており、メキシコでの生産準備を進めていますが、その先どこで造るのか、世界中にどうやって供給するかということが大きな課題です。

それから、高級車市場での技術的な競争力、性能の競争力を強化することです。そして、それを支える技術が3つの課題です。これは覚えていて下さい。

我々がやらなければならないことは、(1)拡大する市場への対応、(2)高級車市場での競争力の強化、(3)それを支える技術です。そういうものを皆さんと一緒につくりあげていきたいと思います。
結局、鍵はスピードです。半年でも良いから他社より先に出さないとこの勝てないのがこの市場です。

最後に皆さんに考えておいてもらいたいことをお話します。
本日から皆さんは今申し上げた当社の一員、すなわちジヤトコ株式会社の社員の一人となるわけですが、最初に、当社が企業として活動していくにあたって、その目指すべき方向を定めた、企業理念についてお話しさせていただきます。

当社の企業理念は「For a better tomorrow for people and cars」すなわち「人とクルマの未来のために」です。詳細については、この後の受入教育の中で詳しく説明をうけると思いますので、省略させていただきますが、この企業理念の元に「お客様に最高の満足を提供するため」の5つのキーワードを「ジヤトコ スピリット」として定め、ジヤトコに働く社員ひとり一人の行動指針としています。一つ一つ申し上げますと、次の5点です。

(1)

Passion

挑戦意欲を持って、自分の仕事を粘り強く出来るまでやり抜く。

(2)

Skill

創造性あふれるスペシャリストを目指し、自分の技を磨く。

(3)

Flexible and Speedy

変化に対し柔軟に、全てに迅速に。

(4)

Teamwork

コミュニケーションを密に、チームワークを大切に。

(5)

Open and Fair

オープンな風土で、全てに清潔に。


社員の皆さんには、この5つの点を念頭におき行動するようお願いしています。
皆さんも、本日以降、それぞれの言葉の意味を良く理解していただき、これからの会社生活に活かしていただきたいと思います。

最後に、私からのサジェスチョンというか考えておいていただきたいことをお話します。
これも3つあります。

<仕事をするということ>
仕事をするということはどういうことかということです。皆さんジヤトコに入社されたのですが、就職は、就社ではなくではなく就職です。仕事をするということで何をするかということを考えていただきたい。私は会社のために一生懸命働いてくれと言いますが、同時に、自分のために働くのだと思います。そういう意味で、仕事を通じて自分を成長する、豊かになる、見識を高める、技術力を高める、自分を高めるという意味で仕事をするということを考えていただきたい。

<チームワークと自主性>
学生時代にはあまり言われてきていなかったかもしれませんが、チームワークと自主性です。チームワークと言っても、上司や仲間のいう事だけ聞いていれば良いのではなく、自分としての判断というのが重要です。そういう意味でチームワークと自主性が重要です。

<専門性と自己研鑽>
自主性にかかわるのが、専門性と自己研鑽です。結局、専門性とは何なのか、素人と玄人は何が違うのかそんなことを少し職業人として自分の仕事を見ていただきたい。やはり自己研鑚、勉強しないと伸びない、是非、専門性と自己研鑽ということを自分のビジョンの1つとして持っておいていただきたいと思います。
自分の3年先、5年先の姿を描いてそれに向かって努力するということを考えておいていただきたいと思います。

今日は色々なことを申し上げましたが、当社はまだ伸びている会社です。ただ、当社を取り巻く環境はそう楽なものではありません。チャレンジ精神を持って皆さんの持ち味を生かしていただきたい。

さあ一緒にジヤトコを素晴らしい会社にしていきましょう。皆さんの力に期待しています。


以 上