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2005年1月6日


2005年 新春社長メッセージ(要旨)


皆さん、あけましておめでとうございます。

2004年は皆さんにとってどういう年だったでしょうか。
会社の活動は2004年度も4分の3が過ぎました。これまでの会社の2004年度を振り返った後に、これから始まる2005年、そしてその先の中期経営計画について簡単に紹介します。

まず、2004年度の現在までの会社の活動を振り返りたいと思います。年度の始めに5つの社長方針を立てて活動しています。

第一は「顧客に信頼される品質の向上」。
品質月間の際に、「@『オープンアンドフェア』の精神で仕事を進める」、「A再発防止・水平展開の実践」、「B決めたことを守る」と言う3点の実施をお願いしましたが、まだ必ずしも徹底できていない為、今年度も品質問題の発生が散見しています。是非この3点をもう一度確認し、活動を緩めることなく、目標を達成してもらいたいと思います。

第二は「高収益体質づくりの推進」。
経営目標の営業利益、投下資本比率はそれぞれ上期の中間目標は数字の上では達成しています。しかし当社を取り巻く環境も年度始めとは随分と違った状況になってきており、予断を許さない状況です。目標必達の為に、いかなる環境変化にも柔軟に対応し、日常の活動に専念して下さい。

第三は「将来の事業展開に向けての布石」。
ジヤトコの次世代を担うJF011E(新世代中型FF車用ベルトCVT)が国内で立ち上がりました。当社が必ず成功させなければならないプロジェクトであり、当社初の海外生産拠点であるメキシコでの準備も順調に進んでいます。また、新たにベトナムにも事務所を設置しました。引き続き全社を挙げての協力をお願い致します。

第四は「事業発展を支えるマネージメントの質の向上」。
今、当社で取り組んでいるのが、従来から日産とともに推進してきたV-Upを始めJEPS、DQR(*1)、CFT(*2)、CIG(*3)、BPR(*4)、そして先日キックオフした開発JEPS(*5)です。

開発JEPSのポイントは開発分野の「ノンコアな業務をどう摘出するか?」、「業務の滞留をどうなくすか?」、これをきちっと分析して対応していくことが課題解決への第一歩です。

最後に「ESの向上とゼロ災害の追求」。
ESのひとつの柱である教育については計画的に改善し、今後も推進していきます。また職場環境改善では、暑熱対策や分煙対策、狭隘対策など計画通りに進んでいます。これらの対策により、安全に働ける環境を引き続き提供していきますが、安全に関しては小さな気の緩みも取り返しのつかない状況に繋がる可能性があります。安全なくして目標達成はありえませんので、是非、気を引き締めて活動していただきたいと思います。安全についても「決めたことを守る」心が大事です。

次に中期経営計画についてですが、日産自動車の「日産180」に続く「日産バリューアップ」をうけて「ジヤトコバリューアップ」(05〜07年度の3カ年計画)という計画を現在策定中で、要点だけをお話しします。次の3つのポイントから成り立っています。

1.「成長」
  @中期的に5百万台/年の販売、A収益の伴う成長、B財務体質の健全化

2.「国際化」
  @メキシコ生産開始による本格的海外生産、ALCC(*6)の活用

3.「質の転換」
  @競合他社に勝つ企業体力養成、A経営資源最適化、業務効率向上

当社の販売は中期的に5百万台を目指し、戦略商品であるCVTを拡大していく計画で、品質・コストなどの造り込みが特に重要となります。
設備投資は、台数増に対応するための投資を続けていきます。効率的に質の高い投資をしていくのは勿論ですが、その償却費負担を抱えながら収益をあげていくのも大きな課題であり、CFT、BPR等の諸活動により、投資の抑制、経費の最適化を進めます。
また、真にグローバルに成長するために、まずはNAFTA圏でジヤトコ・メキシコを軌道に乗せ、それ以外の海外生産も検討したいと考えています。LCCを積極的に活用することも日産圏全体の取り組みとして推進していきます。
当然、図体だけを大きくするのではなく、コア/ノンコアの切り分けによる仕事の質の向上、コストベンチマーク活動などによる原価低減の一層の推進を実施していきます。
更に、親会社との機能軸連携強化も進めたいと考えています。
昨今、当社を取り巻く状況は様変わりしてきております。日産自動車は当社の株式の約82%を持つ、非常に重要なお客様であり、パートナーですが、「日産180」においてグローバルで100万台の増販を推進中で、「日産バリューアップ」でも、数多くの商品が計画されております。また、環境対策が強化されることで、AT・CVTがクルマの商品力強化に大変重要な部品であると再認識されています。さらに、車両の企画にあわせたタイムリーな商品化とエンジン・トランスミッション一体となった開発のニーズが大変高まってきています。このような状況を踏まえ、グループとして最大のパワーを発揮する為に、ジヤトコと日産自動車はより緊密に連携をしていくことに致しました。
一方、外販についてもジヤトコの将来の成長のために計画的に継続していきます。

皆さんは、いろんな経歴・経験の中、現在活躍して頂いているわけですが、今の環境変化の中でそういう経験を踏まえながら、絶えず前向きに、「オープンアンドフェア」に仕事をして頂きたいと思います。

現在、「ジヤトコバリューアップ」の初年度として事業計画を検討しており、具体的な数値目標はこれから提示していきますが、社員全員が一団となっていろいろな課題に対し、全力を発揮し元気に明るく頑張りましょう。

*1

DQR(ダイレクト・クイック・レスポンス)

社長と各部門のメンバーが直接意見交換し課題の抽出と解決を迅速に図る場。

*2

CFT(クロス・ファンクショナル・チーム)

機能横断的課題解決チーム。部門間の壁を越えて複数の部門にまたがる課題を摘出解決するチーム活動。

*3

CIG(コーポレート・イニシャチブズ・グループ)

リソースマネジメント、ナレッジマネジメントのインフラ構築及び会社の将来の姿(戦略ドメイン)策定に向けて活動するグループ。

*4

BPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)

業務プロセス再構築。ある目標を設定し、それを達成する為に業務の内容や流れ、組織構造を分析、最適化すること。

*5

開発JEPS(ジヤトコ・エンジニアリング・プロセス・ソリューションズ)

JEPS手法を用いた開発部門の業務効率化活動。

*6

LCC(リーディング・コンペティティブ・カントリー)

競争力優位の国々。


以 上