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2004年1月6日


2004年始業式 社長年頭挨拶(要旨)


皆さん、あけましておめでとうございます。
2003年は皆さんにとってどういう年だったでしょうか。
会社の活動は2003年度も4分の3が過ぎ、いよいよ年度の締めくくりに向けた活動を展開しなければなりません。これまでの会社の2003年度の活動を振り返った後に、これから始まる2004年、そして2004会計年度を展望したいと思います。

まず、2003年度の現在までの会社の活動を振り返りたいと思います。本年度は5つの社長方針を立てて活動しています。
第一は「統合効果を発揮できるマネージ メントの質の向上」です。
統合効果を発揮するにはあらゆる面でのシナジー効果を貪欲に追い続けることが必要です。
また、CFT(クロスファンクショナルチーム)活動、DQR(ダイレクトクイックレスポンス)活動も継続して実施しています。我々の業界の競争環境は常に変化しています。競争に勝ち残るにはもっと課題を解決するスピードを上げることが必要です。
DQRは皆さんが私の考えていることを知る場、私が皆さんの考えていることを知る場です。形式ばることなく、気楽に皆さんと意見交換をしたいと思います。いろいろな人の参加を歓迎します。

第二は「顧客に信頼される品質の向上」です。
品質月間の際に、「目標値の達成」「水平展開の徹底」「決められたことを守る」という3点の実施をお願いしました。高い目標に向けて努力してもらっている最中ですが、活動を緩めることなく2003年度の目標を達成してもらいたいと思います。
品質に関してはうれしいニュースがありました。日産車に搭載されて北米市場に出ている中・大型FF車用4速AT、大型FF車用ベルト式CVTは双方ともアメリカJ.D.パワー・アンド・アソシエイツ社のIQS(Initial Quality Study:自動車初期品質調査)で非常に高い評価を得ました。

第三は「高収益体質づくりの推進」です。
年度目標の達成のため、残された期間、 気を抜かないで活動していかなければなりません。

第四は「魅力ある商品開発と生産の推進」です。
これからジヤトコの次世代を担う新しい機種が、順次立ち上がっていきます。現在、新世代中型FF車用ベルト式CVT、軽・サブコンパクトFF車用ベルト式CVT等の準備は佳境に入っています。
生産についても当社の新時代の幕開けとなるメキシコでの生産準備が佳境となりました。当社が必ず成功させなければならないプロジェクトです。

最後に「ESの向上とゼロ災害の追求」です。
安全に関しては小さな気の緩みも取り 返しのつかない状況に繋がる可能性があります。気を引き締めて活動していただきたいと思います。
地震対策については、人命第一を基本に 工場設備や厚生施設の補強をする投資を既に開始しました。有事の対応プランも立てられ、生産復旧に至る計画ができました。
ESのひとつである職場環境改善についても計画的に改善を進める予定です。

これ以外の2003年のトピックスをいくつか紹介します。
生産面では富士重工業向け5速AT部品が立ち上がりました。この部品を搭載したレガシィは、日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。当社も富士重工業から「スバル特別貢献賞」を受賞しました。また、日産のキャントン工場向けFR車用5速ATの生産も開始しました。北米ではムラーノに搭載されている大型FF車用ベルト式CVTの評判が高く、日産自動車からは「日産優秀企業表彰特別賞」を受賞しました。お隣の韓国では当社の技術供与によるFR車用5速ATの生産がヒュンダイパワーテックで始まりました。
事業の面では日産グループでサービスサポート機能を統合することが決まり、当社も参画します。焼結事業は日立粉末冶金に順次業務移管します。サッカー部活動は今シーズンで活動を終了しました。いずれも当社の限られた資源をできるだけ有効に活用していく為の方策です。

さて、2004年は最も大きなイベントとして、当社の商品群の中核となる新世代中型FF車用ベルト式CVTが立ち上がります。このCVTは生産開始後2、3年で年産百万台を超える需要が見込まれています。QCD全ての面で万全の備えを していただきたいと思います。

中計、及び2004年度の計画に関してはエッセンスだけをお話しします。現在立案中の中計(04から08年度の5カ年計画)はJAWS(ジョーズ:Jatco Attack and Win Strategy)計画と名付けました。これは規模や台数でなく、会社の実力として競争相手に勝つことを目的とした中計です。JAWS計画達成のための課題を大きく4点に分けてお話しします。


まず、一点目はプロジェクトに関係するものとして以下の項目があります。

 ●新商品の品質と収益の確保
 ●新商品の生産準備
 ●ここ1、2年に立ち上がったユニットの収益向上
 ●先行開発

二点目として、企業としての基礎体力を上げていくことも課題です。

三点目として、昨年に引き続いてESの向上を目標にしたいと考えています。

四点目として、収益の目標は、現在中計プロセスの中で議論していますが、短期的には最低4%の営業利益を目標にしたいと考えています。

最後にコンプライアンスとイージーボイスに触れて締めくくりたいと思います。 ジヤトコは事業統合で規模は大きくなりましたが、内外の様々なリスクに対する防御は極めて弱い状態だと思います。
社会や家庭のためにならないことは会社のためにもなりません。皆さんがおかしいと思ったことはぜひ勇気を持って指摘し改善を図ってください。イージーボイスをもっと活用していただきたいと思います。

今年も皆さんと一緒に、元気で明るくがんばりたいと思います。


以 上