2003年6月16日
メキシコへの工場進出について
自動車用変速機(AT・CVT)の専門メーカー、ジヤトコ株式会社(社長:小島 久義、本社:静岡県富士市、資本金:299億3,530万円)は、約300億円を投資し、メキシコにベルト式CVTを生産する新会社 “JATCO
México, S.A. de C.V.“ を設立することといたしましたので、お知らせいたします。
当社が海外に生産拠点を設けるのは、これが初めてとなります。
当社は、既に強力な顧客ベースをNAFTA圏に持っており、NAFTA圏で生産・輸入される自動車の内、百万台/年を超える自動車に当社製AT・CVTが搭載されています。
さらに、日産自動車の180計画では、NAFTA圏での30万台以上の増販が計画されており、また、各自動車メーカーも同様にNAFTA圏での増販を計画している等、更なる需要の拡大が見込まれます。
このような状況の中、NAFTA圏での生産拠点の必要性が高まり、この度、メキシコへの工場進出を決定いたしました。
当社の新メキシコ工場は、当社がより一層成長し、グローバル化を進めるために、NAFTA圏での生産拠点の基礎を確立するものです。
今回のメキシコへの工場進出によって、AT・CVTの最大市場であるNAFTA圏において、AT・CVTの一層の拡販を目指していきます。
生産立ち上がり初期では、従業員数 約700人、生産能力 約30万台を計画し、2005年にベルト式CVTの生産を開始する予定です。さらに、今後は、CVT需要の拡大が見込まれるため、将来的には70万台程度まで生産能力を拡充させることを見込んでいます。
当社は、1997年にベルト式CVTの生産を開始し、現在、CVTの生産において世界最大級のサプライヤーとなっています。これまで当社が培ってきたCVTの技術および生産技術を、今回のメキシコへの工場進出に際し、最大限に生かしていきます。
社長の小島は、メキシコへの工場進出にあたり、次のように述べています。「当社は強力な顧客ベースをNAFTA圏に持っています。また、NAFTA圏での需要がステップATからCVTへ移行しており、さらに、今後CVTは、CAFE規制強化対応のため、NAFTA圏での燃費改善(対4速AT比10%改善)のための重要な技術として着実な需要の拡大が見込まれます。CVTは、従来のステップ式ATと比較し、運転性能やスムーズさが格段に向上されており、また、より大幅な燃費向上を図ることができます。当社は、これらのCVTの利点を生かし、グローバル化を加速していきたいと考えます。“JATCO
México, S.A. de C.V.“ 設立にあたり、メキシコ政府および日産メキシコからの絶大な支援に感謝いたします。」。
当社は、世界有数のAT・CVT専門メーカーであり、これまで4,000万台以上のAT・CVTを生産し、日産自動車、三菱自動車をはじめ、国内8社、海外18社の自動車メーカーに納入しています。CVT分野において業界の先駆者的役割を果たしており、ベルト式CVTについては、1997年に2リッタークラスFF車用を、2002年には3.5リッタークラスの大排気量FF車用を、それぞれ世界で初めて量産しています。この3.5リッタークラスの大排気量FF車用ベルト式CVTは、2003年米国自動車初期品質調査(IQS:Initial
Quality Study)の評価結果でも非常に高い評価を受けています。また、当社は、大排気量FR車に対応するトロイダル式CVTの商品化に1999年に世界で初めて成功し、量産を行っている唯一のメーカーです。当社は、三菱自動車のAT・CVT部門が分社したダイヤモンドマチックを本年4月に吸収合併し、AT・CVT専門メーカーとして、より一層の成長を目指しています。
新会社の概要は以下のとおりです。
@ 会社名 |
“JATCO México, S.A. de C.V.“ |
A 設立 |
2003年5月 |
B 代表者 |
伊藤克文(現、当社常務) |
C 資本金(設立時) |
5万メキシコペソ(当社100%出資) |
D 所在地 |
メキシコ アグアスカリエンテス(Aguascalientes)州アグアスカリエンテス市(メキシコ日産 アグアスカリエンテス工場隣接地) |
E 土地面積 |
約200,000u |
H 投資金額 |
約300億円 |
I 生産機種 |
中型FF車用ベルト式CVT |
J 生産開始 |
2005年中頃 |
K 生産能力(生産立ち上がり初期) |
約30万台/年 |
L 人員規模(生産立ち上がり初期) |
約700名 |
以 上
|