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2003年1月6日

2003年始業式 社長年頭挨拶(要旨)

皆さん、新年あけましておめでとうございます。

平成15年、2003年の新年を皆さんはご自宅で、故郷で、あるいは旅行先で新たな気持ちでお迎えになったことと思います。

さて、新しい年、2003年をスタートさせるにあたって、私の思いと皆さんへのお願いを申し上げたいと思います。

まず、2003年におけるジヤトコにとっての重要な課題についてお話します。

最大の課題は4月に予定しているダイヤモンドマチック(以下「DMC」)との合併です。

我々はわずか3年前に旧ジヤトコとトランステクノロジーの事業統合を経験しました。前回は日産圏の会社同士の統合でしたが、今回は三菱自動車のAT事業部門であったDMCとの統合です。この統合により、三菱自動車グループとのお取引も大幅に拡大し、我々の事業の枠も大きく発展しますし、三菱自動車グループのサプライヤーとのお取引も拡大します。

それは日産グループとは異なった仕事の進め方、あるいは考え方などと接することとなるわけですから、我々の仕事の再確認に大いに有効だと思います。この機会をとらえ、量の拡大はもちろん、質の向上も目的とし、シナジー効果を貪欲に追求してもらいたいと思います。

昨年から、各部門ごとに事業統合の準備を進めておりますが、残された3ヶ月間に最後の詰めを行い、4月から新生ジヤトコとして新たにスタートしたいと思います。

次の課題は、昨年立ち上がった小型車用CVT(日産「キューブ」に搭載)、大型車用CVT(日産「ムラーノ」に搭載)の安定操業、安定供給を達成することであります。本年はこれらについて皆さんと一緒により安定した品質、そして計画通りの収益を上げる機種に育てて行きたいと思います。

皆さんは私が社長就任時に当社にとってQCD(品質・コスト・納期)の総合バランスがいかに大切かを言ったことをご記憶だと思います。QCDは足下の経営状況を見ると決して気を緩められる状況にはありません。経営の基礎となるQCDについて当社はまだまだ多くの課題を抱えています。

ここで私が社長就任の際にお願いした課題を再度振り返りたいと思います。申し上げたことはどれも当社の総合力を向上させるために極めて優先度の高い課題と現在も信じています。課題が完全に解決したと判断しない限り、色々な機会でお話したいと思います。

不採算ユニットの収益改善については昨年スタートしたUPD(ユニットプログラムダイレクター)制度により、方向が見えてきつつあります。しかし、まだ改善の実効を上げるにはほど遠いのが実情です。開発から調達、生産、そして営業部門まで、総力をあげて活動に取り組むことがジヤトコが将来発展していく基礎であると思います。そのためには部品コストの技術的な対応による低減、内製原低、部品の買い方による原低等々大いに知恵を絞ってください。これが新CVTの目標達成の種ともなります。

部門間の壁を排除するため、CFT(クロスファンクショナルチーム)活動を始めることを重点課題としてお話し、現在6つのCFTが活動を始めていますが、まだ、その活動が円滑かつ活発に行われている状況とは思えません。私のフォローも十分でなかったと大いに反省しております。CFTパイロットの皆さん方が心機一転され、活躍されることを期待するとともに、私もCFT活動への時間を割き、当社の部門をまたがる課題の解決に尽力したいと思っています。

次に、安全と品質の問題は私が最も懸念している問題ですので、少し詳しくお話したいと思います。

安全の問題については皆さん方の大変な努力により、過去3年間を遡ってみても大幅に改善されています。本年度休業災害は発生しておりません。しかし、重大災害の芽となる「ひやり」あるいは軽微災害は頻発しております。物づくりを生業とする会社として、ぜひ、ゼロ災害を目標に継続して努力していただきたいと思います。

品質については、客先の信頼を得るためには品質問題を出さないことが基礎であることは言うまでもありません。開発部門では「発生した市場不具合の対策内容を確認し、暫定対策で終わっていないか」や「他のユニットにも再発防止がなされているか」という自らへの問いかけを徹底して実行していただきたい。生産部門では、何らかの問題のあったところは歯止めの効いた改善をお願いしたいし、問題のなかった場合でも常にその基準を満たすことを点検しながらの物づくりをお願いしたい。このような活動を通じて社員の1人1人が品質最優先で行動していく職場にしていただきたい。

最後になりますが、ジヤトコの強みを再確認し、新年の挨拶を終わりたいと思います。昨年も申し上げた通り、ジヤトコの強みは第一にCVTに代表される先進的な開発力、生産技術力です。第二に、専門性、実行力、熱意にあふれた人材です。最後に、日産自動車、三菱自動車、スズキ、富士重工業をはじめとするしっかりしたお客様の基盤です。これらの強みを大いに活かすことにより、最初に申し上げた本年の課題を達成していきたいと思います。本年をジヤトコの記念すべき年とするよう皆さんのご協力、奮闘をお願いして新年の挨拶といたします。

本年が皆さんと皆さんのご家族にとって良い年となりますようにお祈りいたします。

以 上