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2001年12月25日

2002年始業式 社長年頭挨拶について

自動車用変速機(AT・CVT)の専門メーカー、ジヤトコ・トランステクノロジー株式会社(会長兼社長:佐々木健一、本社:静岡県富士市、資本金:299億3,530万円)は、明年1月7日(月)に始業式を行います。当日式中において、佐々木から述べる予定の年頭挨拶を下記のとおりお知らせいたします。

新年明けましておめでとうございます。皆さんには、ご家族と一緒に、楽しいお正月をお過ごしになったことと思います。

一方で年末・年始の休暇中にもかかわらず、生産能力の補充に、あるいは設備の保全、設備工事の立会いなど、多くの方々に休日出勤いただきました。本当にご苦労様でした。休出された方々には心から感謝申し上げます。

さて、昨年は21世紀の幕開けの年でありました。その幕開けにふさわしく当社にとっても更なる成長へのスタートの年であったと思います。

1月のジャガーへの納入開始に始まり、日産スカイライン、マツダ、欧州フォード向けの新機種を順次立上げました。また、CVTシリーズや、6速AT等の新規商談も目白押しでありました。

さらに、三菱自動車工業との事業統合へ向けた活動や様々なプロジェクトも、より具体化してまいりました。

このように当社にとっては、新機種の立ち上げや商談、各種プロジェクトと様々な課題を皆さんの努力と英知で大きく前進させた年であったと思います。皆さんのご努力に心からお礼を申し上げたいと思います。

自動車メーカー各社は、今後ますます高まる環境課題等への対応のために資源を集中させ競争力の強化をはかるため、部品サプライヤーに対し、技術対応や価格低減など、厳しい要求を掲げ世界最適調達を目指しています。

AT業界におきましても、ますます厳しくなる燃費規制強化に対応して、一層の多段化、CVT化、電気モーターを併用した複合型ATの開発やフリクションの低減等の技術開発が一段と急がれています。

自動車メーカー自身の業容見直しによるサプライヤーとの分担変化に加え、アジア、ヨーロッパにおけるAT装着率の向上により、我々ATサプライヤーのビジネスチャンス拡大の基調はますます明確になってきています。

このような環境変化の中で、こうした動きを視野に入れてスタートした当社は、この一年を通じて、着実に成果を上げてきましたが、今年は更にこの基盤を強化し、我々の存在を明確にしていく大事な年となります。

米同時テロ後の世界的な景気減速などを受け、依然景気の先行きは不透明であり、当社のおかれた経営環境は、決して良いものとは言えません。

その中では、当社は、ビジネスチャンスに恵まれてはいますが、それを現実のものとし、将来の企業像である「顧客ニーズを先回りした商品ラインナップの実現とカーメーカーの戦略的パートナー化を目指し、『Intelligent Powertrain System Global Supplier』として、高収益体質企業となる」ためには、多くの課題を達成していかなければなりません。

今年は、大型・小型のFF車用ベルト式CVTが順次立ち上がる予定であります。開発や生産設備の準備等、皆さんのご努力で順調に進んでおりますが、これまでの経験を活用して、万全の準備を整えて送り出したいと思います。特に品質については、十分に配慮し、万が一にも品質問題を発生させることのないようにしなくてはなりません。

お客様の信頼を得るためには、大変な努力が必要ですが、たった一度の品質問題の発生でお客様の信頼を簡単に失ってしまうことを肝に銘じて、品質向上に全員で努力していきましょう。

また、BP21活動を中心に据えながら、全社的な原価低減活動の一層の促進を図りつつ、強固な原価体質、高収益体質の実現を目指していかなければなりません。そのためには従来の発想を捨て、グローバルに生産や調達を考えるような視点が重要になってきます。

そして、三菱自動車工業との事業統合も実現に向けて着実に前進していかなければなりません。この事業統合は、成長分野であるAT・CVT事業を事業統合して、一層の効率化と機動力のある経営体制を取ることにより、商品ラインナップの充実や、シナジー効果を発揮して量産効果を出し、AT・CVT専門サプライヤーとして、当社の能力を高め、その基盤をより強固なものとして、成功させることが当社の使命であります。

ところで、昨年は休業3件を含む労働災害が発生し、本人及びご家族の方々が大変痛ましい思いをされることになってしまいました。管理監督者を含め「ルールの遵守」や作業指示、安全急所の適切な指示徹底、KYT(危険予知トレーニング)の活発化など、全員が「災害ゼロ」という意気込みを強く持って、作業安全の向上に取組んでいただきたいと思います。

この様に我々を取巻く環境は、時々刻々と変化しておりますが、この変化に適確に対応した中計、年度方針を機敏に具体的に立てていくことを心がけて行きたいと考えております。計画の策定にあたっては長期的な視野にたって、次の世代にもしっかりした仕事の場、生活の基盤を受け渡していくことが、最も大事なこととして、計画を作り上げていくつもりです。

当社には、課題が山積しています。しかし、課題を達成した際の成果も見えています。成果が目に見え、それに向かって仕事ができる当社の環境は、この厳しい経営環境の中で非常に恵まれていると思います。しかし、課題達成には、全員の努力と英知を結集しなければなりません。

課題は沢山ありますが、大きい成果を目指して一つずつ着実に解決し、力を一つにして、当社発展の基礎を固め、経営目的を達成していきましょう。それができるかどうかは、皆さん方一人一人が、ジヤトコ・トランステクノロジースピリットに則って、それぞれの課題を達成していこうという強い意志如何にかかっています。更に、確実な成果を勝ち取ることを目指して、自信を持って取り組んでまいりましょう。

以 上