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2006年1月13日

メキシコでのCVT生産能力拡充及びJATCO Mexico, S.A. de C.V.開所式について

自動車用変速機(AT・CVT)の専門メーカー、ジヤトコ株式会社(社長:石田 繁夫、本社:静岡県富士市、資本金:299億3,530万円)は、メキシコ現地法人であるJATCO Mexico, S.A. de C.V. (社長:伊藤 克文、本社:メキシコ アグアスカリエンテス州 アグアスカリエンテス市)の開所式を1月12日(メキシコ現地時間)に行うとともに、新たなメキシコでの生産能力拡充について発表を行いました。

当社は、当社初の海外生産拠点設置のため、2003年4月、メキシコにJATCO Mexico, S.A. de C.V.を設立し、生産開始に向けて諸準備を進めてきました。既に昨年の11月から中型FF(前輪駆動)車用ベルトCVT(無段変速機 *)の本格生産を開始しており、今回は正式に工場の披露を行ったものです。
開所式にはメキシコ合衆国政府のガルシア・デ・アルバ経済大臣アグアスカリエンテス州のアルマンド・レイノーソ州知事ほか地元関係者、日本の駐メキシコ成田大使、日産自動車小枝共同会長はじめ、関係者約200名が参加しました。

当社は、最先端の環境技術として注目されているCVTのグローバルに拡大する需要に対応するため、新世代CVTの生産能力拡充を図ってきました。今回のJATCO Mexico, S.A. de C.V. の本格生産開始をはじめ、現在八木地区(京都府南丹市八木町)の生産能力を拡充中であり、国内外において、さらなる生産能力拡充を図っています。

この一環として、今回、JATCO Mexico, S.A. de C.V.の生産能力拡充を決定いたしました。
現在の年間生産能力約30万台を段階的に約40万台まで引き上げるとともに、新たに年間生産能力約30万台の生産ラインを増設し、2007年10月から新世代の中型FF車用ベルトCVTを増産します。また2008年5月には、現在日本で生産している新世代の大型FF車用ベルトCVTの内、NAFTA圏向けを現地(メキシコ)生産化する計画です。
今後、さらにNAFTA圏でのCVT需要の拡大が見込まれるため、将来的には年約80万台まで年間生産能力を拡充させることを計画しています。
これに伴い、建物増築、生産設備等に約200億円を投資する予定です。
また、この生産能力拡充により、将来的には2,000名規模の現地雇用の創出を見込んでおり、さらなる、メキシコの経済発展、日本・メキシコの経済交流の促進に貢献することができると考えています。

世界最大の自動車市場であるとともに、AT・CVTの最大市場であるNAFTA圏で生産・輸入される自動車の内、100万台/年を超える自動車に当社製AT・CVTが搭載されており、当社は既にNAFTA圏に強固な顧客基盤を持っています。
この基盤をベースに、今後も、AT・CVTのより一層の拡販を目指していきます。

当社社長の石田は、JATCO Mexico, S.A. de C.V.の開所式で、次のように挨拶しました。
「今後、燃費性能向上、CO2削減に大きく寄与するCVTは、地球温暖化対策のための重要な技術として着実な需要の拡大が見込まれます。JATCO Mexico, S.A. de C.V.は、当社がより一層成長し、グローバル化を進めるための基礎を確立する重要な拠点です。ここに開所式を迎え、さらに新たな生産能力拡充について発表することができたことに関し、メキシコ合衆国政府、アグアスカリエンテス州政府及び日産自動車、メキシコ日産からの絶大な支援に感謝いたします。今後とも、このすばらしいメキシコと、アグアスカリエンテス、そして、日産グループの発展に、ささやかではありますが貢献してまいる所存でございます。」

JATCO Mexico, S.A. de C.V.の概要は次のとおりです。

所在地

メキシコ アグアスカリエンテス(Aguascalientes)州アグアスカリエンテス市

敷地面積

約20万u

延床面積

現 在

約4.8万u

拡充後

約7.9万u

生産能力

現 在

約30万台/年

拡充後

約80万台/年

生産機種

現 在

中型FF車用ベルトCVT

拡充後

中型及び大型FF車用ベルトCVT

人 員

約700名(2006年1月現在)

これまでの
スケジュール

2003年 4月  会社設立
2004年 1月  建設工事着工
2004年10月  竣工
2005年11月  本格生産開始


当社は、世界を代表するAT・CVT専門メーカーの一つであり、これまで5,500万台以上のAT・CVTを生産し、日産自動車をはじめ、国内外の自動車メーカーに納入してきました。CVT分野において業界の先駆者的役割を果たしており、ベルトCVTについては、1997年に2リッタークラスFF車用を、2002年には3.5リッタークラスの大排気量FF車用を、それぞれ世界で初めて量産しています。
また、当社は、小型から中型、さらに3.5リッタークラスの大型車用までのCVTフルラインナップを提供できる、世界で唯一のメーカーです。

(*) Continuously Variable Transmissionの略。基本構造は入力側と出力側2つのプーリの間を1本のスチールベルトで繋ぎ、各々のプーリとスチールベルトの接触部分の半径変化により減速比を連続的に変える構造。通常のステップ式(有段変速)ATに比べ、燃費の良さ、変速ショックのないスムーズな走り、加速性能の良さ等のメリットがある。

以 上