皆さん入社おめでとうございます。皆さん方の若くて輝いている顔を見ていると、私も本当にうれしくなります。これから是非一緒に仕事していただきたいと思い、心から歓迎したいと思います。また、職場の一同も皆さん方を早く一緒の仲間としてお迎えしたいということで待ち望んでいると思います。

今日からは、正真正銘の社会人として独り立ちして出発するということになったわけです。今までは、どちらかといえば社会との関係で言えば、自分でコントロールして過ごす自由度が大きかったと思いますが、これからはやはり社会人として社会と一対一で対等の責任と義務を果たすということで皆さんも自覚がひとしお新しくなったと思います。

当社は、合併して新しい会社としてスタートして約1年半が経ちました。いろんな形で一つの会社としての活動が軌道にのっているところですが、まだまだこれから築き上げていかなくてはならないことがたくさんあります。皆さん方は、その中で是非若い力を発揮して、当社が一つの大きな固まりになって、出力を高めていけるような役割を是非早くやっていただきたいと思います。皆さん方が配属される職場でも皆さん方を是非暖かくお迎えして、一日も早く仲間になっていただきたいと、たいへん期待してお迎えすることになると思います。

おそらく皆さん方学校にいたときは、わからないことがあったり助けてほしいときは、友達に聞いたりして対応してきたと思います。会社に入ってくると最初はわからないことがたくさんあると思いますが、その度に周りの人、先輩の人に聞くのがちょっと気後れするとかはずかしいとか、忙しそうにしているので遠慮するとかということがあるかもしれません。しかし、積極的にわからないことはその場ですぐに聞いて、早く身につけていって下さい。

確かに、先輩の人たち、同僚の人たちは忙しそうにしていますけれど、聞かれれば本当に暖かく応えてくれると思います。そして、早く一人前の仲間になってほしいという思いで一杯です。うっかり聞き損ねると、二度目、三度目はだんたん聞きにくくなります。なるべく早く、とにかくわからないことは聞いて良く身につけていって下さい。

合併して1年半といいましたが、当社は自動車の自動変速機をつくるという仕事をしています。この仕事に関しては、合併した両社ともに30年以上も歴史を持っています。ジヤトコ・トランステクノロジーという会社は若い会社ですが、非常に長い技術と伝統の蓄積を持っているということで、皆さん方も誇りをもって、ここで仕事をしてほしいと思います。

（以下、企業理念の説明、省略）

自動変速機は、エンジンの回転をタイヤに伝えるときに、一番走向条件に合うように回転数を変えながら伝える役目を持っています。したがって自動車の走行には非常に重要な役割を果たしています。おそらく皆さん方も地球温暖化とか大気汚染とかという話を新聞では見たことがあると思います。実は、当社もそうした問題にたいへん大きく関わっています。というのは、自動車の排気ガスから地球温暖化に関わるCO2ガスというものが排出されますが、これは燃料が燃えて酸素と結びついて出てきたガスですから、少なくするには、燃費を良くすることしか方法がないわけです。このように自動車の燃費を良くするというのが地球温暖化や大気汚染への対応となるわけで、我々の自動変速機も自動車の燃費を良くするということに非常に大きな役割を担っているわけです。そういう意味では、今、自動変速機というのは技術的にたいへん大きな変化を遂げていて、例えば当社でいえば無段変速機（CVT）が非常に大きな役割を果たすという評価をいただいております。そういう新しい技術をもって、これからの自動車の課題であります大気汚染、地球温暖化対応等に我々の仕事がつながっていくということで、そういう意味では、社会的に見てもたいへん意義の高い仕事に皆さん方はこれから従事していただくことになります。

これから自動変速機はどんどんかわっていきますので、我々自身の仕事の発展というのはこれからもどんどん続いていくと思います。そうした中で皆さん方が是非若い力を発揮して、当社の4つの出力、「技術・コスト・品質・信頼」、それぞれに素質としては、当社は非常に良いものを持っていると思いますので、それを伸ばしていくときに、皆さん方も大きな力を発揮できる仲間に一日も早くなってもらいたいと思います。

最後に、新入社員としての心の持ち方ということで一つお願いしたいと思います。まだ入社したばかりで緊張していると思いますけれど、これからだんだん会社の中で慣れるにつれて、是非好奇心というものは常に高く持っていただきたいと思います。物事にだんだん慣れてくるとこんなものかということであまり感じなくなるというのはたいへん悲しいことで、是非いろんなことに好奇心をもってほしいと思います。自動変速機の構造に、作り方に仕事の仕組みに、それぞれ好奇心を持つ対象は変わってくると思いますが、どうしてだろう、なぜこうなるんだろうというようなことを常に考えながらこれからの社会生活をおくっていただきたい。

もう一つチャレンジ（挑戦）です。皆さん方若いのですから、何かにつけて自分ならこうしてみたいとか、こういう工夫をしてみたいということを持ちながら、先ほどの好奇心とチャレンジということでこれからの社会生活に是非早く馴染んでいただきたいと思います。

簡単ですが、これからご一緒に皆さん方と仕事をする挨拶として、私の言葉とさせていただきたいと思います。是非一緒にこれからがんばりましょう。